クラウド時代には、データベースの管理やアプリケーションの構築といった作業は、データベース・アズ・ア・サービス(DBaaS)ソリューションを利用することで、かつてないほど容易になっている。
主要なクラウドサービスプロバイダー(CSP)でサービスとしてのソフトウェア(SaaS)として提供されるDBaaSは、開発者やソフトウェアエンジニアに、基盤となるインフラサービスが管理された、オンラインで利用しやすいデータベースを提供する。オンプレミスのサーバーで複雑なアプリケーションを実行・管理する時代は終わった。ここでは、市場を代表するDBaaSソリューションを紹介する。
主要DBaaSソリューションの比較
| Amazon Web Services | Cloudera |
|---|---|
| Google Cloud | IBM |
| Microsoft Azure | MongoDB |
| Oracle Cloud | SAP |
| Snowflake | Teradata |
Amazon Web Services(AWS)データベース
Amazon Web Services(AWS)はクラウドサービスプロバイダーの中で疑いのないリーダーであり、検討すべきクラウドベースのデータベースを幅広く取りそろえている。リレーショナルデータベースであるAurora、RDS、RedShiftは、ERPやCRMなど従来型アプリケーションで広く知られている。一方、DynamoDBは高トラフィックのWebアプリ向けの堅牢なキーバリューデータベースだ。AWSが提供するその他のDBaaSには、インメモリ、ドキュメント、ワイドカラム、グラフ、時系列、台帳データベースがある。
AWS DBaaSの特徴
- 分散アプリに必要なあらゆるデータモデルを支える15以上のエンジン
- 以下を含む、フルマネージドのデータベースサービス:監視と自己修復ストレージ
- SaaSのサブスクリプション料金体系による自動スケーリング
- セキュリティ機能(ネットワーク分離、エンドツーエンド暗号化など)
- 高可用性(マルチリージョン、マルチプライマリのレプリケーション、データ監視)
メリット
- アプリケーション開発の要件に最適
- コストに見合う価値とパフォーマンス
- 他のAWSサービスとの統合
デメリット
- 管理コンポーネントが複雑
- 新機能の一部は十分にテストされていない
- カスタマーサポートが期待外れ
Cloudera Data Platform(CDP)
オープンソースのApache Hadoopを基盤とするClouderaのエンタープライズデータ管理システムは、10年以上にわたって有力な選択肢となっている。
Cloudera Data Platform(CDP)は、ストリーム処理、データエンジニアリング、データウェアハウジング、データハブに加え、RDBMSであるCDP Operational Databaseなど、一連のソリューションを提供する。開発者向けに設計されたCDP Operational Databaseは、データベース運用を自動化し、エンタープライズクラスのアプリをモダナイズできる。
Clouderaの特徴
- ワイドカラム、SQL、NoSQLインターフェースをサポートし、開発ワークフローの柔軟性を確保
- ガバナンスのためのCloudera Shared Data Experience(SDX)によるライフサイクル追跡
- 自動チューニングと自動修復により手作業の負荷を軽減
- オンプレミスとクラウド(リージョン、ベンダー)にまたがるアクティブ・アクティブ構成をサポート
- リアルタイムのレプリケーションと移行に向けたHBaseデプロイメントとの完全な互換性
メリット
- スケーラビリティと使いやすさ
- 高いパフォーマンスと信頼性
- 豊富なユースケースと機能
デメリット
- 複雑で、明らかな学習曲線がある
- カスタマーサポートの有効性にはばらつきがある
- 消費リソースに応じた料金モデルでは割高
Google Cloud Platform(GCP)データベース
AWSと同様、Google Cloud Platform(GCP)も、さまざまなクラウドデータベースの種類やユースケースに対応する多くの選択肢を備えた有力候補だ。GoogleのDBaaSソリューションには、リレーショナル、キーバリュー、ドキュメント、インメモリ、NoSQLデータベースが含まれ、幅広い用途に対応している。
2011年以来、GCPの中核製品の1つが、サーバーレスのマルチクラウドデータウェアハウスソリューションであるGoogle BigQueryであり、もう1つがマネージドMySQL、SQL Server、PostgreSQLデータベース向けのGoogle Cloud SQLだ。Googleが提供するその他の人気DBaaSソリューションには、マネージドNoSQLデータベースサービスのCloud Bigtableや、高可用性データベースのCloud Spannerなどがある。
Google Cloud DBaaSの特徴
- 数百のノードをスケールし、レプリケーションを利用して高い需要に対応
- BigQueryによる予測MLモデリング、マルチクラウド、地理空間分析
- マルチリージョンインスタンス向けのスキーマ、SQLクエリ、ACIDトランザクション
- 低レイテンシでキーバリューストレージに膨大なデータを保存するBigtable
- Cloud SQLを、Apps、Compute、K8s向けのGoogleのエンジンと簡単に統合できる。
メリット
- クエリ、スケーリング、バックアップの速度
- 充実したドキュメントとコミュニティ
- 他のツールとの統合が容易
デメリット
- 競合製品より高価
- 警告とドキュメントの改善が必要
- ユーザーインターフェースの直感性が低い
IBM Cloud Databases
2013年、IBMは新興のマネージドクラウドサービスプロバイダーであるSoftLayerを買収し、2017年には同社のクラウドサービスプラットフォームをIBM Cloudに改称した。現在、IBM CloudはDBaaS製品群を含む、最も充実したプラットフォームの1つとなっている。
マネージドデータベースソリューションのフルスイートは、開発者ツール、機密データ、ビジネスインテリジェンス、エンタープライズ、Web、モバイルアプリケーションを網羅し、すべてIBM CloudおよびRed Hat OpenShiftとネイティブに統合されている。
IBM Cloud DBaaSの特徴
- 重要なリレーショナルデータベース向けのIBM Db2、PostgreSQL、MySQLソリューション
- PostgreSQLとMongoDB向けのHyper Protect環境でデータを保護
- ElasticsearchデータベースによるJSONドキュメントのインデックス作成と全文検索エンジン
- IBM Cloudant、MongoDB、DataStaxで堅牢なWebアプリを構築
- SQL、NoSQL、IoT、ブロックチェーン、構造化データと非構造化データを含むすべてのデータ型をサポート
メリット
- 継続的に改善される製品
- 柔軟でカスタマイズしやすい
- データ管理とデータリカバリー機能
デメリット
- ドキュメントが不足している
- 新しいパッチのリリース頻度
- テクニカルサポートが弱い
Microsoft Azure Databases
クラウドコンピューティングのビッグ3を締めくくるMicrosoft Azureも、SaaS、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)ソリューションを幅広い顧客に提供するエンタープライズCSPだ。
2009年、Microsoftが最初期にリリースした製品の1つが、クラウドプラットフォーム上でアプリを構築・スケールするAzure SQL Databaseだった。Microsoftのもう1つの注目すべきDBaaSソリューションにはNoSQLデータベースのAzure Cosmos DBがあり、Azure Synapse Analyticsサービスはデータ統合、ウェアハウジング、アナリティクスを統合して、スタックを完成させる。
Azure DBaaSの特徴
- Azure SQLファミリーによるフルマネージドの自動パッチ適用リレーショナルデータベース
- 柔軟な開発ワークフローに対応するAzure FunctionsとApp Serviceのネイティブサポート
- SLAでは、Cosmos DBで99.999%の可用性とエンタープライズグレードのセキュリティを提供
- 自動スケーリングとリアルタイムバックアップにより、Hyperscaleを通じたアプリのパフォーマンスを確保
- Synapseによる業界固有のデータベーステンプレートと統合アナリティクス
メリット
- 優れたユーザーインターフェース
- ユーザーフレンドリーで導入しやすい
- どこからでもアクセス可能
デメリット
- 相互運用性が低い
- 高価
- 初期ロードが長い
続きを読む:Oracle and Microsoft Rolling Out Database Service for Azure | Datamation
MongoDB Atlas
当初はPaaSとして開発され、その後オープンソースのディストリビューションモデルへと移行したMongoDBは、コミュニティサーバー、エンタープライズサーバー、オンデマンドのマネージドサービスとして利用できる。主要CSP(AWS、GCP、Azure)上で稼働するMongoDB Atlasは、データをインテリジェントなアプリケーションへと変換する、開発者ファーストのプラットフォームだ。チームは、Infrastructure as Code(IaC)プロバイダー、K8s Operator、CLI、またはAtlas Developer Data Platformを使用して、数秒でデータベースを起動できる。
MongoDB Atlasの特徴
- AWS、GCP、Azureの90リージョンにまたがるマルチリージョンおよびマルチクラウドアクセス
- データを効率的に保存するアーカイブ規則による自動データ階層化
- データを保護するポイントインタイムバックアップとエンドツーエンド暗号化
- 開発ワークフローを強化する全文検索とリアルタイムアナリティクス
- Query APIで配列、地理空間、時系列のデータ形式を管理
メリット
- 高速なクエリと非構造化データの保存
- 膨大なデータを管理可能
- 堅牢な開発機能とカスタマーサービス
デメリット
- 大規模なデータセットでは遅延が発生
- ACID準拠に欠ける
- 複雑なトランザクションにはあまり適していない
Oracle Cloud Databases
エンタープライズデータベース管理をルーツとするOracleを考えれば、同社のクラウドサービスが、2016年にリリースされたばかりにもかかわらず、すでに主要なクラウドプラットフォームの1つとなっているのも不思議ではない。
Oracle Cloudには、IaaS、PaaS、SaaS、サービスとしてのデータ(DaaS)ソリューションのフルスイートに加え、Oracle Autonomous DatabaseやNoSQL DatabaseなどのDBaaS製品が含まれる。Oracle Cloud Infrastructure(OCI)ポートフォリオでは、チームはマルチモデルデータベース管理、NoSQL、MySQLのワークフロー向けに、マネージドデータベースのスタックから選択できる。
Oracle Cloud DBaaSの特徴
- トランザクション、バッチ、分析のワークロードを同時に実行
- Oracle Exadata Database Serviceによる最高レベルのセキュリティと可用性
- ドキュメント、カラム、キーバリューモデル向けのストレージベースのプロビジョニング
- アプリケーションの開発・デプロイ中もACID特性を維持
- Oracle MySQL HeatWeaveを介してOLTPとOLAPワークロードを実行
メリット
- 導入の容易さとパフォーマンス
- 柔軟でスケーラブルなデータベースソリューション
- CPUやメモリのリソースをあまり消費しない
デメリット
- 初期費用とメンテナンス費用
- 技術に詳しくないユーザーには複雑
- セットアップと接続に時間がかかることがある
SAP HANA Cloud
2012年、エンタープライズアプリケーションベンダーは、インメモリのSAP HANAデータベース管理システムを含むSAP Cloud Platform(SCP)をリリースした。SAP HANA Cloudは、データベース管理、マルチモデル処理、セキュリティ、データ仮想化などのための一元的なプラットフォームをチームに提供する。
SAP HANAはエンタープライズ組織に適しており、継続的な監視、パフォーマンス管理、ディザスタリカバリー、データベース管理のための開発ツールを提供する。
SAP HANA Cloudの特徴
- ハイブリッド環境全体にわたる、オンプレミス、仮想化、分散データ向けのプラットフォーム
- JSON、ドキュメント、グラフ、地理空間データ形式の保存、処理、分析
- ビジネスプロセスとパフォーマンスを改善する組み込みの機械学習モデリング
- トランザクション処理とアナリティクス処理、およびマルチティアストレージをサポート
- 機密データと通信のプライバシーを保護するデータ匿名化ツール
メリット
- データ管理におけるエンタープライズの定番
- 処理速度
- サードパーティーアプリとの統合が容易
デメリット
- 複雑で、導入期間が長引くことがある
- トラブルシューティングとカスタマイズ機能に関するドキュメント
- 初期費用とメンテナンス費用が高い
Snowflake Data Platform
Snowflake Data Platformには、データウェアハウジング、データレイク、エンジニアリング、データサイエンス、アプリケーション、サイバーセキュリティ向けの、クラウドベースのマネージドサービス群が含まれる。このプラットフォームは、スケーラブルなパフォーマンスエンジン、自動化された管理、クロスクラウドおよびクロスリージョン接続を確立してデータサイロを排除するSnowgridという3つのレイヤーで構成されている。Snowflakeのローンチから10年を経て、データを中核とする同社は、多くのエンタープライズ企業に選ばれるパートナーとなっている。
Snowflake Data Platformの特徴
- ほぼ無制限のワークロードスケーラビリティと、事実上無制限の同時利用ユーザー数
- データパイプライン、エンジニアリング、アプリ、アナリティクスを組み合わせる単一のプラットフォーム
- 信頼性が高く高速なパフォーマンスを実現するマルチクラスターのリソース分離
- クライアントのビジネスエコシステム全体で安全にデータを共有し、インサイトを可視化
- マネージドセキュリティ、ガバナンス、データレジリエンスによってリスクを低減
メリット
- 柔軟性とパフォーマンス
- 複数のクエリを同時に実行できる
- コンピュートとストレージの管理
デメリット
- スケーリングによってコストが膨らみやすい
- 新規ユーザーには機能が多く圧倒される
- ソフトウェアのアップデートが煩わしいことがある
Teradata Vantage
データベースのスペシャリストとして40年以上の実績を持つTeradataは、クラウドデータプラットフォームのTeradata Vantageで検討すべき多くの機能を提供している。Vantageは、データレイク、データウェアハウス、アナリティクス、さまざまなデータソースを統合し、マルチクラウドとハイブリッドインフラの時代に向けたエンタープライズアナリティクスを顧客に提供する。
企業は、パブリッククラウドプラットフォーム向けのAWS、GCP、Azure、オンプレミス向けのIntelliFlexとVMware、Teradata Cloud、または顧客が既存のプライベートクラウドなど、複数の導入オプションを利用できる。
Teradata Vantageの特徴
- 分散型マルチクラウドネットワークで稼働時間と可用性を確保
- JSON、BSON、XML、CSV、Avro、Parquetなど、一般的なすべてのデータ型をサポート
- 既存のオンプレミスまたはクラウドインフラを利用してVantageを導入
- 従量課金または混合モデルの2つの料金オプション
- ワークフローをスケール、強化、検証する機械学習とAI
メリット
- 複雑なタスクに対応する高度な機能
- 堅牢なワークロード管理
- 大量のデータに対応するスケーラビリティと容量
デメリット
- 新規ユーザーにとって学習曲線が険しい
- 競合製品と比べて高価
- プラットフォームからのデータ移行が難しい
注目すべきDBaaSソリューション
- Alibaba Cloud
- ArangoDB
- Couchbase
- Databricks
- DataStax
- InterSystems
- MariaDB
- Redis
- SingleStore
- Tencent Cloud
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Database-as-a-Service(DBaaS)とは?
Database as a serviceは、DBaaS、クラウドデータベース、マネージドデータベースとも呼ばれ、クラウドコンピューティングを通じてデータベースを作成・構築するためのマネージドオンラインサービスだ。開発者は以前、データの保存と管理に物理的なオンプレミスデータベースを利用していたが、DBaaSでは基盤となるソフトウェアとインフラ管理を外部委託できる。
DBaaSソリューションのメリット
DBaaSソリューションには、次のようなさまざまな機能がある。
- プロビジョニング可能なストレージとコンピュート容量により、必要に応じて拡張・縮小できる。
- リモートアクセス、管理の容易さ、SaaSサブスクリプション料金
- 長期的なデータベース導入を避け、数分でDBaaSを起動できる。
- 開発用途に合わせたさまざまなデータベースタイプと専用エンジン
- データベースの稼働時間と可用性を確保するサービスレベル契約(SLA)
- エンタープライズグレードのセキュリティ。保存時および転送中のデータの暗号化を含む。
- 社内チームと比べてコスト管理を簡素化し、オーバーヘッドを削減できる。
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DBaaSソリューションの選び方
よく知られたクラウドサービスプロバイダーから、エンタープライズデータベース技術における新興および既存のイノベーターまでがひしめく中、DBaaSの選定は決して簡単な作業ではない。
クラウドのスケーラビリティには諸刃の剣という側面があるため、ソリューションの初期費用、メンテナンス費用、その他の継続的に発生する費用を必ず検討しよう。ユーザーが気付かないうちに、誤って、あるいは無分別に費用を積み上げてしまう悪夢のような事例は枚挙にいとまがない。
データベースの種類に関する柔軟性を考えると、AWS、Google Cloud、Microsoft Azureが提供するポートフォリオに異を唱えるのは難しい。各社ともDBaaSエンジンのスタックを提供しているが、ポートフォリオがより広範で、データベースの種類も多いことは、特定用途に取り組むチームにとって負担になる場合もある。代替サービスの市場には、検討せずにはいられないほど専門性の高いサービスや革新的な機能が存在する。
その他の検討事項としては、既存のクラウドサービスや、候補となるDBaaSプロバイダーがチームの想定するユースケースを専門としているかどうかが挙げられる。すでにCSPを利用している組織であれば、対応するクラウドデータベースを同時に導入することで、統合が容易になり、コストも削減できる。同様に、DBaaSソリューションにはそれぞれ豊富なユースケースがあるため、目的を明確にしたチームは検討対象をより絞り込める。
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