今日のワークロードに求められる性能に対応するには、ストレージアーキテクチャが柔軟性、俊敏性、効率性を備えている必要があります。こうした要件に応えるスケールアウト型ネットワーク接続ストレージ(NAS)は、これらのワークロードに対応できるコスト効率の高いアーキテクチャです。構造化データと非構造化データの増加にも追随し、今日のデータストレージ要件を満たせます。
続きを読む:エンタープライズグレードのNASソリューション
スケールアウトNASと従来型NASの比較
従来型NASはスケールアップNASとも呼ばれ、既存のハードウェアにストレージやメモリなどのリソースを追加する際に、スケールアップ方式を利用します。スケールアップNAS構成のデバイスは数百テラバイトのデータを保持できるため、中小企業(SMB)のストレージニーズに適した魅力的なソリューションです。
スケールアップ型ストレージインフラに追加できるリソースは、NASハードウェアの物理的な性能に左右されます。こうした性能によって、NASデバイスがどれだけリソースを追加できるかが決まります。リソースの需要が利用可能なハードウェアの能力を超えると、容量の追加はできなくなるため、新しいハードウェアが必要です。しかし、これによってサーバーの乱立を招くリスクが生じます。
TechRepublicの関連記事:NASをサイバー犯罪者から守る5つのヒント
さらに、数百台ものデバイスを抱える可能性を考えると、電力、冷却、設置スペースの要件によってストレージ管理は煩雑になります。その結果、スケールアップNASは複雑で、コストが高いものになりかねません。また、将来必要となる容量を予測するという課題にも直面します。
加えて、非構造化データの需要という点では、スケールアウト方式のほうが広く採用されています。性能と容量の両方をアップグレードできるため、スケールアウト型ネットワーク接続ストレージは、スケールアップ型ストレージシステムの課題に対する自然な代替手段となります。
スケールアウトNASは、変化するビジネスニーズに対応し、複雑さとコストを抑え、リソースを最適化するために必要な柔軟性を提供します。企業が管理に苦慮する増え続けるデータ量に対して、既存のITリソースにさらなる負担をかけずに対応できる、スケーラブルな解決策です。
スケールアウト型ストレージシステムは、複数のサーバーでクラスタ化されたストレージアレイを構成し、ネットワーク経由で論理ユニット番号(LUN)やファイル共有を提供します。スケールアウトアレイでは、容量の増加に伴って性能も向上します。ノードの追加はシステムを停止させずに行えるため、アレイに容量と性能を追加する際にダウンタイムは必要ありません。
続きを読む:NASソフトウェアとは?その仕組みを解説
スケールアウトNASの拡張性はどの程度か?
スケールアップNASシステムのコントローラーには、ディスクスロットの数だけでなく、メモリやCPUリソースにもあらかじめ上限が設定されています。その結果、ストレージユニットが増えると制御機能が容量の増加に追随できず、スケールアップNASの性能は低下する傾向があります。
スケールアウト型ネットワーク接続ストレージは、コントローラーが複数のエンティティを連携させ、1つの論理ユニットとして機能させられるため、比類のない容量を実現します。これにより、システム全体を同時に管理できます。つまり、リソースを2倍にすると性能も2倍になるため、スケールアウトシステムは線形に拡張でき、拡張時に収穫逓減は発生しません。
性能を低下させずに拡張できるため、スケールアウトNASは膨大なデータを容易に処理できます。また、データを移動することなく容量を追加できるため、需要が急増した場合にも容易に対応できます。これは、データの増加に対応するためにより大容量のハードウェアが必要となるスケールアップ方式と比べた場合の利点です。
続きを読む:スケールアップとスケールアウトの比較:データセンターインフラ
スケールアウトNASのメリット
柔軟性
スケールアウト型ストレージでは、ストレージソリューションがクライアントのニーズに基づいているため、容量と性能を自由に拡張・縮小できます。この柔軟性により、今日の大量の非構造化データに対応し、ビッグデータ環境で求められる柔軟性を満たせます。
データセンターでの利用
従来型NASとは異なり、スケールアウト型ネットワーク接続ストレージはデータセンターのスペースを節約し、高額な設備追加の必要性にも応えます。管理上の課題、物理的な制約、サーバーの乱立リスクといったスケールアップ型ストレージの複雑さは、スケールアウトNASが提供する継続的な拡張性によって解消されます。
効率性
効果的なスケールアウトNASソリューションは、従来のハードディスクの制約を超え、ストレージ容量から最大限の価値をユーザーに提供します。また、組織がストレージの管理ではなくデータの管理に集中できるため、組織全体の効率も向上します。効率的なシステムによって、データストレージに必要な容量を削減できます。
可視性
スケールアウトNASは、接続されたすべてのノードから、クラスタ内に保存されたすべてのファイルを確認できる可視性を提供します。これにより、クラスタを統合されたストレージシステムとして管理できます。また、動的なリソース割り当てによって、管理上の課題を増やすことなく容量と性能を追加できます。さらに、ノードに障害が発生した場合でもクラスタ全体に負荷を分散できるため、ダウンタイムの防止にも役立ちます。
コスト効率
スケールアウトNASハードウェアへの投資は、長期的な拡張計画を立てる必要がなくなるため、コスト効率に優れています。さらに、スケールアウトNASは、柔軟なオンデマンドモデルとともに、データセンターの必要スペース、エネルギーコスト、管理コストの削減にもつながります。
続きを読む:無料で使えるオープンソースNASソリューション
スケールアウトNASの課題
スケールアウト型ネットワーク接続ストレージには数多くのメリットがありますが、このアーキテクチャを導入するかどうかを判断する際には、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。
- 導入コスト:長期的にはコスト効率に優れていますが、スケールアウトNASは従来型NASより導入コストが高くなることがよくあります。
- ライセンス費用:専用ハードウェアやソフトウェアの追加に伴うライセンス費用が、こうしたソリューションの導入を検討する企業にとって障壁となる可能性があります。
- ネットワーク接続要件:スケールアウトはネットワークに依存するため、より高い接続性が必要です。
スケールアウトNASのメリットを生かす
スケールアウト型ネットワーク接続ストレージシステムは、特に非構造化データを扱う場合、スケールアップNASを明らかに改善したものです。ただし、スケールアウトNASのメリットを生かし、最大限のコスト効率を実現するには、ソリューションがシンプルで効率的、可用性と柔軟性を備えていることを確認する必要があります。
次に読む:おすすめのETLツール:データ抽出・変換・ロードソフトウェア