Oracle VM Serverは、企業がx86およびSPARCのハードウェアアーキテクチャー向けに導入、管理、維持する仮想マシン(VM)を実現するサーバー仮想化・管理ソリューションだ。Oracle VM Serverの導入を検討しているなら、購入時に適切な選択をするため、ソフトウェア独自の機能やメリット、デメリットを慎重に確認し、サーバー仮想化ソフトウェアを選ぶ必要がある。
Oracle VM Serverとは?
Oracle VM Serverは、Xenハイパーバイザー技術を拡張したもので、Linuxカーネルを搭載している。幅広いデバイスやファイルシステム、RAIDボリューム管理ソフトウェアをサポートする。
Oracle VM Serverのハイパーバイザー(モニターまたは仮想マシンマネージャー)は、システム内で唯一、完全な特権を持つエンティティーであり、フットプリントは非常に小さい。CPUやメモリーの使用率、特権チェック、ハードウェア割り込みといった、システムの最も基本的なリソースだけを管理する。
Oracle VMは、さまざまな種類のサーバーで同じ論理タスクを実行できるユーザーインターフェースを提供することで、ハイパーバイザーをさらに抽象化している。システム内の各Oracle VM Serverに導入されるOracle VM Agentが、この抽象化の多くを担う。

Oracle VM Serverの機能
Oracle VM Serverは、次の機能のうち1つ以上を実行できる。
- サーバープールマスター:サーバープールの活動はサーバープールマスターを中心に展開され、サーバープールとOracle VM Managerとの窓口になるほか、サーバープール内の他のOracle VM Serverへのディスパッチャーとして機能する。
- ユーティリティーサーバー:ユーティリティーサーバーの主な役割は、仮想マシン、Oracle VM Server、サーバープールの作成と削除だ。
- 仮想マシンサーバー:仮想マシンサーバーの主な目的は、仮想マシンを実行することだ。
Oracle VM Serverの機能
運用コストの増大やリソース消費の非効率化に直面する中、仮想化ソリューションには、データセンターの柔軟性を高め、価格と性能の要件を満たし、アプリケーションの導入、管理、保守を容易にすることが求められる。
Oracle VM Serverには、競合製品との差別化につながる次の機能が用意されている。
高可用性
Oracle VM Serverの高可用性(HA)機能は、障害が発生したVMをサーバープール内の別のホストで自動的に再起動する。これにより、ダウンタイムを最小限に抑え、業務プロセスの中断を回避できる。
続きを読む:高可用性アーキテクチャーを実現する方法
スケーラビリティーとパフォーマンス
Xenハイパーバイザーを使用したオーバーヘッドの少ないアーキテクチャーにより、ワークロードの増大に応じて性能を拡張できる。最も負荷の高いエンタープライズおよびクラウドのワークロードに対応するため、最大384基の物理CPUと6 TBのメモリーをサポートし、各ゲストVMでは最大256基の仮想CPUと2 TBのメモリーを利用できる。
追加費用なしの高度な管理
Oracle VM Serverは、リソースプール、仮想マシン、ストレージ、ネットワーク機能をブラウザーから一元管理でき、追加費用はかからない。イベントの詳細な追跡機能と仮想化システムの健全性ステータスを提供し、使いやすさを実現する。
幅広いゲストOSをサポート
この製品は、Oracle Linux、Oracle Solaris、Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux Enterprise Server、CentOS、Microsoft Windowsなど、幅広いオペレーティングシステムをサポートする。
安全なライブVMマイグレーション
Oracle VM Serverでは、稼働中のVMを安全なSSL接続経由で別のホストに移行できる。そのため、計画メンテナンスに伴うサービス中断を完全に回避し、必要に応じてリソースを迅速に拡張できる。
Oracle VM Server:メリットとデメリット
Oracle VM Serverのメリットとデメリットには、次のようなものがある。
メリット
- x86およびSolarisサーバーとVMのクローニングをサポート
- Oracle VM Managerのコマンドラインインターフェース(CLI)とWeb Services API(WS-API)により、自動化と相互運用性を高められる
- インストールと設定が簡単
- スケーラビリティーと高い性能
- 物理サーバー1台あたり最大128台の仮想マシンをインストール可能
- Oracle VM Templatesにより、エンタープライズアプリケーションを迅速に導入可能
- サービスのテストや開発、概念実証(POC)に利用できる無償の仮想マシン
デメリット
- Oracle以外のインフラには適していない
- ファイアウォールの設定が複雑
- データベースノードのプロビジョニング用テンプレートには、若干の改善が必要
- ユーザーインターフェースが複雑
- プライベートクラウドの構築やクラウド自動化の実装は複雑で、多くの保守作業が必要
Oracle VM Serverは適しているか?
Oracle VM Serverを検討する購入候補者は、1つの問いに答える必要がある。それは、自社がOracle中心の企業かどうかだ。そうであれば、データセンターの管理者はこれを第一の選択肢として検討すべきだ。価格面でこれに勝つのは難しく、エンタープライズITで長年の実績を持つOracleなら、強力な仮想化プラットフォームの構築方法を熟知しているのは間違いない。
ベンダーロックインを別にすれば、企業はOracle VM Serverによる仮想化によって、データセンターの総所有コストを削減し、ITの柔軟性を高め、ビジネスの俊敏性を向上させられる可能性がある。Oracle VMの新機能により、スケーラビリティー、管理性、使いやすさが向上し、最も負荷の高いエンタープライズアプリケーションでも構築、運用、保守できるようになる。
ただし、Oracle VM Serverがすべての組織に適しているとは限らない。機能上の制限や使いやすさに関する低い評価から、VMware、Citrix、Red Hat、あるいはオープンソースプラットフォームを検討する企業もあるだろう。さらに、Oracle VM Serverは他の選択肢が提供する柔軟性の一部を欠いており、特定のパッチで問題が発生するとの報告もある。
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